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<原爆ドーム>被爆前の姿再現 日米の映像チームが共同作業(毎日新聞)

 広島・原爆ドームの被爆前の姿を再現しようと、日米の映像技術にかかわる専門家グループが製作していた画像が完成した。ハリウッドの大作にもかかわったスタッフらが、CG(コンピューターグラフィックス)やVFX(特殊視覚効果)など最先端の技術を駆使し、広島県産業奨励館と呼ばれていた当時、対岸の旅館の窓から見た光景などを鮮やかによみがえらせた。原爆が奪ったものを歴史に刻もうと、昨年10月から共同作業を進めていた。【宇城昇】

 「核なき世界」への歩みを進める日米共同作業--。原爆ドームの被爆前の姿がハリウッドの映像技術を用いて再現された。被爆者の証言などを頼りにCGやVFXを駆使、人類の「負の遺産」とされる原爆ドームが、「広島県産業奨励館」と呼ばれ、人々の集う場だったころの姿がよみがえった。

 画像は証言や資料などを基に青銅色のドーム型屋根や外壁の意匠、窓に揺れるカーテンなど細部まで作り込まれている。川を挟んだ「福亀旅館」の障子窓を開けた遠景に見える姿など数パターンの画像が作られ、障子を抜ける柔らかな光も表現された。

 画像製作は昨年10月に始まった。米国側スタッフは、映画関係者を多数輩出した南カリフォルニア大の教授陣や大学院生ら。気候変動を描いた映画「デイ・アフター・トゥモロー」(04年)でVFXを手がけたエリック・ハンソン准教授は「このプロジェクトは歴史に学び、平和をはぐくむ努力を強化する」と意義を語る。

 日本側は東京大や早稲田大、東京電機大の研究者、TBSテレビのスタッフらが連携して臨んだ。広島市で98年から爆心地のCG復元を続ける被爆者の田辺雅章さん(72)の生家は奨励館の東隣。両親と弟は被爆死した。奨励館の思い出を伝え、データ提供でも協力した。「優れた技術で正確な姿を歴史に残したい」と期待する。

 爆心直下の旅館には福島和男さん(78)=広島市=の両親や祖父母ら6人がいたが、遺骨も見つからなかった。学徒動員中で一家で唯一助かった福島さんは奨励館の庭で夏、セミ捕りをして遊んだ思い出があるという。「自分たちの遊び場だった当時を思い出す」と画像を見ながら懐かしそうに話した。【宇城昇、加藤小夜】

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